「京都 手しごと案内帖」 普段の仕事場から VOL.17

刺繍


今回は、刺繍について説明させて頂きます。

刺繍は着物を装飾するのに欠かせない工程です。

金彩と同じくアクセントとして多様な着物に使用されています。

着物の配色や技法により個性や写実的な図柄を多彩な糸を使って立体的に表現でき、

着物を豪華にするだけでなく華やかさももたらす重要な工程の一つです。


刺繍の種類は沢山ありますが、今回はミシン刺繍の二技法、駒刺繍と横振り刺繍を説明させて頂きます。


駒刺繍は昔、刺繍針に通せない太い糸や金糸などを木製の駒(糸巻きの一種)に巻いてそれを転がしながら刺繍糸を下絵に沿ってはわせ、綴糸(とじいと)で留めていました。

今は、金駒専用のミシンで縫っています。

駒取りとも呼ばれています。

金糸を使ったものを金駒刺繍、銀糸を使ったものを銀駒刺繍と言います。

金糸も昔と違って、原材料も高価になって仕入れるのが困難になりました。

現在ほとんどが、金糸を使った金駒刺繍です。

古典柄によく使われて、中でも中太の線や円の線などによく使われています。

豪華でとても人気の刺繍です。


次に横振り刺繍を説明させて頂きます。

横振り刺繍とは、針が左右に動く横振りミシンを使い、図案を見ながら職人の手で直接生地に柄を描いていく日本独自の技法です。

足元にあるペダルを踏み込む強さを調整しながら刺繍の振り幅が変化する横振りミシンを使います。

金駒刺繍とは違って、多色の糸を使って縫うことができるのでモダン柄や華やかで大きな柄などによく使われています。

最終工程としてアイロン掛けをしてシワを伸ばし生地に定着させます。

着物の柄に応じた刺繍を縫うのも職人さんのセンスが問われるため、やはり熟練した職人さんに頼らなくてはなりません。

若手職人を早急に育てることが、これからの課題です。


では、次回は手刺繍についてお話します。



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