「京都 手しごと案内帖」 普段の仕事場から VOL.07

図案


図案を描くことから着物製作は始まります。

着物の出来不出来は、図案の技量で決まるといっても過言ではありません。

どのようなデザインの着物を作るか、いろいろ構想を練りながら、図案を描く人、図案家に仕事を依頼します。

着物の種類、季節や着ていく場所などをイメージしながら、絵柄を決めていきます。


図案作成の手順は、まず図案のミニチュア版である「ひながた」というものを描きます。

これは、最終的な着物の図案の方向性を決める為に、とても重要なものと言えます。

A3の大きさの紙の中に着物の形が枠取りされたおり、そこへラフ描きで様々な着物の文様を描いていきます。

何度も打ち合わせと手直しを繰り返し、図案の完成形を「ひながた」で導いていきます。


次に、「あたり」というものを描きます。

これは、着物の原寸大の紙に、木炭で着物の図柄を下書きしていきます。

この木炭は、柳を高熱で焼いたものを使用します。

柳の木炭は、滑らかで描きやすく、濃淡の調子が出しやすいといわれています。

木炭で描いた線を消したい場合は、羽根ぼうきでサッサッとはらえば消えてしまいます。

鴨などの鳥の羽根を束ねて、柄の先に取り付けたものを羽根ぼうきといいます。

図案家によっては、「あたり」をきっちり描く人とラフな感じで描く人に分かれます。

次の工程の「本図案」を描く時に、「あたり」をきっちり描いておけば、スムーズに仕事は進みます。

柄のサイズやバランスは「あたり」の段階で詰めておきます。

何度も描き直しが出来る理由で、すぐに消せる木炭を使用しています。


次回は「本図案」を描く工程についてお話しします。



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